カウンセリング

『個人的なことは社会的なこと』―あなたの抱える生きづらさは、もしかすると社会との接点の摩擦からおきている(より深刻になっている)のかもしれません。
反抑圧的アプローチに基づくカウンセリングをおこないます。心理療法と社会構造的な観点から、ひとりひとりの悩みの根を丁寧に探り、対人関係や人生の中で繰り返し現れるうまくいかないパターンやモヤモヤする気持ちの核に迫ります。
『自分を変える』だけにとどまらず、気持ちや考え方を整理したり、社会とのかかわり方を見直したり…より心地いい自分、幸せな生き方へ近づいていきましょう。

世界的に不安定な情勢、新たな感染症、経済の混乱など『心と体のウェルネス』を保つのが難しい日々が続いています。『気の持ちよう』や『自分のせい』と我慢しすぎないで、お一人で悩まずお気軽にご相談下さい。
様々なセラピー・カウンセリングアプローチと批判的ソーシャルワークの構造的視点を用いて、トラウマ、生きづらさや人間関係の困難等の軽減に取り組みます。

ナラティブセラピー(物語療法)

生きづらさの原因は、人生の中で蓄積され形成されたその人特有の世界観や自己認識と歪みにあると考えるのがナラティブセラピーです。セラピストとの対話によって、クライエントが自らの人生の新しい意味付けを再構築します。
無意識に支配されている物語からの解放と、肯定的な物語の誕生が様々な困難の改善に応用されています。

トラウマ体験の克服PTSD*の克服自己肯定感の回復アイデンティティの再構築と受容うつや不安障害の克服人生観の転換

*PTSD:Post Traumatic Stress Disorder :心的外傷後ストレス障害

エモーション・フォーカスト・セラピー(感情焦点化療法 EFT)

セラピストとの面接を通して “感情のコーチング(emotion coaching)”をおこないます。そして「自分が焦点を当てるべき、従うべきなのはどの感情なのか?どの感情は調節したり変容したりするほうがよいのか?」の判断と選択の仕方を学びます。
EFTはうつの軽減と予防効果の大きさ、自尊心の向上効果が認められており、カップルや家族カウンセリングにおいても幅広く実践されています。セラピーという安全な空間の中で自らの感情を解放することは、様々な症状や生きづらさの軽減につながります。

うつの軽減うつの予防自尊心の向上家族・カップル関係の向上情緒安定

アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)

マインドフルネス(『いま・ここ』に意識を集中している状態)の考え方をベースに「心理的柔軟性―本当に大切にしたい考えに意識を向け、それを邪魔するよう勝手に湧き上がる感情にとらわれず、自分の価値に沿った効果的な行動を選ぶ力」によって、心の健康状態を回復・維持します。
英語では「ACT(アクト)」とよばれ、その名の通り「行動すること」を重視するセラピー手法です。

ACTでは、感情はコントロールされたり排除されるものではなく「受け入れられるべきもの」と理解します。ネガティブな感情を、打ち消そうとしたり乗り越えようとするのではなく、自分の思考と感情をあるがままの状態で受けいれます。自然と湧き起こったり消えたりする状態を抗ずに受容した上で、よりよい未来へと近づくための「アクト(行動)」「コミットメント(自分自身への決意・約束)」を自分で考え出し決定していきます。

トラウマの受容喪失の受容回復と癒し

批判的多文化カウンセリング

批判的多文化カウンセリングは、人種、民族、文化、宗教、そしてジェンダーやセクシュアリティの多様性に重点を置き、クライエントのアイデンティティが適切に理解されることを核とします。
多文化国家として知られるカナダではクライエントとセラピストの人種や文化バックグラウンドが異なることも多く、広く活用される技法です。
ミックス/ハーフ/ダブル、帰国子女、日系、複数の国にルーツや生活歴を持つ方、LGBTQ+の方など。複雑なアイデンティティ、その人の人格や人生経験を全体観的に理解するためにこのアプローチを活用しています。

»» カップルカウンセリング・家族支援

多文化・多言語 カップルカウンセリング

異なる国や文化、異なる言語バックグラウンドを持つ二人がカップルとなるのは、お互いの人生を豊かにする素晴らしいことです。しかし、そこには誤解や文化の違い、価値観や常識の違いなど、お互いをわかり合うための小さな障害があるかもしれません。人が二人いればそこに多様性が生まれ、歩み寄り理解し合うための努力が必要なのはどのカップルもかわりません。
私のカウンセリングでは、言語能力や人種の違い、そしてジェンダーがカップル関係にもたらすパワーバランスに着目します。 困難を二人だけの問題に留めず、社会的な観点から見つめなおすことが、繰り返されるモヤモヤや、埋まらない溝に新しい意味合いをもたらすことがあります。
相手を変える・自分が変わるだけでない、より満足感の高い関係性のあり方を一緒に探しましょう。

引きこもり・不登校支援

引きこもりや不登校は社会とのつながりを減らすだけでなく、自己肯定感の喪失や家族関係の悪化など、本人そして家族にとっても長期的な困難を生み出します。また未診断の発達障害や学習障害、精神障害が隠れているケースもあります。
外部支援者が話を聞くことは、本人・家族が不安感や怒り、悲しみ、焦りなどを安心して打ち明けられる場となり、辛い時期を支える柱の一つとなります。

私は2016年-2017年、困難を感じている子ども・若者への支援人材として内閣府の養成研修*を受けました。その後、日本の市役所で子ども・若者・その家族の支援に携わり、カナダでは若年ホームレスシェルター**にて家族カウンセラーとして勤めました。

就労や登校再開だけを回復のゴールとしてはいません。本人の苦しんでいる状況からの脱出、家族の疲労と緊張感の緩和など、無理ないゆっくりした歩みの伴歩者として、引きこもり・不登校の問題に関わっています。

*内閣府アウトリーチ(訪問)支援研修 
子ども・若者育成支援推進法(平成21年法律第71号)に基づき、平成22年度から困難を有する子供・若者」の支援に携わる人材養成のため実施されている約3週間にわたる研修。
**若年ホームレスシェルター
18歳から24歳までの定住所を持たない若者約130名余りが生活を共にするシェルター。生活支援・メンタルヘルスサポート・就学援助・就労支援等、若者の心身の健康と社会とのつながり、そして家族との関係性の修復(共に暮らすことに限定されない)を支援する。